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アルミ鋳物・ダイカストに関する技術コラムです

アルミ鋳造に用いられる砂型の特徴と材料について(2)

アルミ鋳造に用いられる砂型の特徴と材料について(1)では、生型の砂の材料や造型方法についてご紹介してきました。
今回は、その他の造型の鋳造、砂処理のラインをご紹介していきます。

シェルモールド法

第二次世界大戦時のドイツ、クローニング氏によって発明された方法です。

熱硬化性樹脂をけい砂に混合して加熱して焼成し鋳型を作るもので、けい砂に樹脂をミキサーで混錬し、砂の表面にコーティングしたコーテッドサンドが多く用いられています。

シェルモールド法に使われる金型は繰り返し使用するため、耐熱性、耐摩耗性に優れたものが良いとされます。金型は製品の形状をしたものとなり、金型の寸法精度が製品の寸法精度に直結するため、寸法変化を小さくすることも必要です。

コーテッドサンドの製造法はコールド法、ウォーム法、ホット法の3種類があり、その名の通り温度が異なり、それぞれレジン(樹脂)の状態が異なります。

現在はレジンの状態が液体、フレーク状のホット法がよく用いられます。

コールドボックス法

アメリカのアシュランド社が開発したプロセスです。
この方法は常温のみで成型する、熱を全く使わない方法です。
造型時間は前述のシェルモールド法の12.5%~20%です。
常温のため樹脂模型も可能で、硬化にはトリエチルアミンガスを使います。

ホットボックス法

シェルモールド法に比べてさらに速硬化性バインダを用いて造型性を高めた方法です。けい砂に2.5%程度のフルフラールレジンを混合し、硬化剤をレジンの20~30%配合します。

ガス型法

けい砂にバインダとして4~5%のけい酸ソーダ(水ガラス)を混合し、炭酸ガスを吹き込みながら硬化させます。

混錬した砂は水分が蒸発し、硬化していくため、表面を湿らせた状態で密閉して保管しておく必要がある他、炭酸ガスはボンベ内で液化しているため、ガス化する際に気化するための気化装置が必要になります。

鋳造方案

以上でご紹介した方法と前回ご紹介した生型造型法も含めて、鋳造方案には細心の注意を払う必要があります。なぜなら、この鋳造方案一つで製品の良し悪しが左右されるからです。

鋳造方案においては、湯道、湯口、押湯、製品設計に配慮する必要があります。

空気を巻き込んだり酸化物が生じるような溶湯の乱流を防ぐこと、溶湯が押湯に向かって指向性凝固になるようにすること、鋳物の凝固が始まる前に溶湯が鋳型内に満たされるようにすること。
これらの点に注意しなければなりません。

以上、造型を生型以外の造型を見てきましたが、いかがだったでしょうか?

アルミ鋳造に用いられる砂型の特徴と材料について(1)で生型の造型を詳しくご紹介しているので、よかったらそちらもご覧ください。

参考文献

  • 『軽合金鋳物・ダイカストの生産技術』(一般財団法人 素形材センター 2014年版)

 

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