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アルミ鋳物・ダイカストに関する技術コラムです

アルミ鋳造に用いられる砂型の特徴と材料について(1)

今となっては軽合金鋳物における砂型鋳造法による生産量は全体の5.9%と非常に少ないのですが、人類が鋳造という技術を獲得して以来行われ続けている歴史ある鋳造法です。今回は砂型鋳造法にスポットを当てていきたいと思います。

生型鋳造法

1.生型法

この方法は最も歴史がある方法です。

長い年月の中で、この鋳造法において必ず注意しておかなければならないとされる項目が発見されてきました。

・成形性が良いこと
・通気性が良いこと
・耐熱性が良いこと
・保温性が良いこと
・再使用が可能であること
・適当な粘土分を有すること
・粒が丸くそろっていること

けい砂と呼ばれる鋳物用の生型砂がこの鋳造法の根幹となっています。海岸にある浜砂、河川付近の川砂のような天然の砂や石英質岩石を破砕、粒度調整した人造けい砂のような人工砂まであります。

また添加剤や水分をこのような砂に加えます。

生型用添加剤は型ばらし性と対欠陥性を向上させるために加えられ、炭素粉や黒鉛粉末などの炭素質の添加剤が使われます。澱粉質の添加剤はすくわれの防止、鋳型の安定性を増加させる効果があり、繊維質のものは100メッシュほどの木粉を使用するのですが、鋳型の膨張抑制やすくわれ防止に効果的です。

生型の特徴として鋳型内に水分が存在します。水分は粘土に粘結力を与えますが、高温の溶湯を鋳型に流し込むと、加熱され水蒸気となって砂粒間隙を通過して逸出しようとする水分と、加熱されず凝縮水となり鋳型強度が弱い層を形成する水分とに分かれます。

そのため、水分量と圧縮強度の関係性を把握する必要があります。
また、砂だけでなく造型についても注意が必要となります。

生型の造型方法は有枠方式と無枠方式とに大別されます。
どちらも造型するときは鋳枠を使用する点では同じなのですが、造型後に鋳枠をつけたまま後工程に流すかどうかという点で異なります。

鋳枠をつけたままなのが有枠方式、つけないのが無枠方式です。模型、鋳枠、鋳物砂を上昇落下させ、急停止する動作を反復させることにより造型するジョルトスクイズは最も早くから利用されてきた造型法ですが、振動・騒音のもととなってしまいます。

アンビルジョルト方式、エアラムジョルト方式、ショックレスジョルト方式、ラッパージョルト方式などがあります。

また、ジョルト造型での鋳型上面の硬度確保のためスクイズを併用します。プレジョルトとバイブレートスクイズがよく使われます。

パターンプレートにセットされた鋳枠内に上から鋳型砂を投入し、その後鋳枠上部をふさいで鋳枠上部から圧縮空気を短時間透過させて突き固め、さらにスクイズを加えるのが静圧造型法です。これはジョルト方式と異なり振動や騒音がありません。しかも、鋳型硬度が均一に高く、型抜き性がよく、後処理工程が省略でき、メンテナンスが容易というメリットもあります。

このほかにも、様々な造型法があり、また、模型についても材料および製作法などがあります。

アルミ鋳造に用いられる砂型の特徴と材料について(2)では、生型の造型、鋳造、砂処理のラインをご紹介していきます。

  • 参考文献

『軽合金鋳物・ダイカストの生産技術』(一般財団法人 素形材センター 2014年版)

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