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アルミ鋳物・ダイカストに関する技術コラムです

2023.05.16

アルミ鋳造業界におけるカーボンニュートラルの動向

アルミ鋳造業界の動向

地球規模の課題である気候変動問題の解決に向け、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、脱炭素・カーボンニュートラルに向けた動きが様々な産業分野で加速しています。
自動車産業においても、カーボンニュートラルに向け電気自動車や燃料電池自動車 などの次世代自動車の開発や、燃費改善、生産ラインでの省エネ化の動きが加速しています。
自動車の燃費改善に向け、エンジン性能向上ボデー空気抵抗の低減、車体重量の軽量化など様々な技術が開発されてきました。
特に、車体軽量化は燃費改善に直結する要素であり、今後拡大が想定される電気自動車においても、エンジンの代りに大重量のバッテリーが積載されるため、今以上に軽量化が求められます。このような中で、自動車部品や構造材として、鉄などから軽量なアルミへの材料変更が更に進んでいくと予想されています。

また、エネルギー価格の高騰や、不安定な世界情勢の中で、様々な材料価格の値上がりが続いており、その点でもリサイカブルなアルミへの注目は更に高まっていくことが予想されます。
一方、アルミはリサイクルが進むたびに低純度へダウングレードしていくのが一般的です。自動車軽量化に向け、自動車部品の薄肉化や、高品質が求められる構造材へのアルミ適用が増えることが想定されるため、アルミ溶湯の清浄化技術 成分調整技術などアルミリサイクル技術の更なる開発も一層必要になってくると予想されます。

工業炉のカーボンニュートラル

消費エネルギーの大きい工業炉において、省エネによるCO2 排出量低減の推進はもちろんですが、利用時にCO2 排出をしない新たな燃料選択肢についても注目が高まっています。
その代表的なものに、水素とアンモニアがあります。水素は水を電気分解することで得られ、アンモニアは、水素と窒素から生成されます。

水素やアンモニアは燃やしても CO2 を排 出しないため、地球温暖化防止に貢献するクリーンなエネルギーとして注目されおり、火力発電分野では石炭火力にアンモニアを 20% 混焼することでCO2 排出を低減する実証実験が進められてます。工業炉においても専用バーナー開発などが進められていますが、インフラ整備、コスト、生成段階も含めたライフサイクルでのカーボンニュートラルなど、大きな課題もあります。
また、水素とCO2 から天然ガスの主成分であるメタンを合成するメタネーション技術開発も進められています。メタネーションの中で、発電所などから排出される CO2 を利用するカーボンニュートラルメタン (CN メタン などは、現行インフラや工業炉 ガス をそのまま利用できると言われており、利用者の設備投資抑制が期待出来る選択肢です。
もちろん、電気ヒーターなどを利用した工業炉も利用時にCO2を排出しないエネルギーとして有力です。
例えば、日本高熱工業社ではアルミ熱処理工程向け (T5 、 T6 など に、ガスと電気の 2 種類の熱源ラインナップを準備し、変化の大きい社会情勢に対応できるよう、熱源交換改造も可能な回転式熱処理炉を開発しています。
また、省エネカーボンニュートラルに向けては、工業炉の稼働監視やエネルギーの可視化により、現場の生産性状況の把握や省エネ課題の抽出 改善効果の確認なども重要になってくると考えられます。

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