凝固解析によるヒケ巣予測 – ダイカスト不良改善事例
こちらのコラムでは凝固解析によるヒケ巣予測を実施した事例を紹介いたします。
凝固解析の結果、不良発生個所付近に最終凝固部があることを確認いたしました。これらは不良発生個所とも一致しており、ヒケ巣を低減する・表面から遠ざける等の対策の実施が必要ということがわかりました。
そこで、アルミ鋳物・ダイカスト技術ナビはヒケ巣の抑制のために以下3つの対策を実施いたしました。
①鋳抜き追加(恒久対策)
鋳抜きピンを用いることで、鋳抜き穴を設置することが可能です。
今回の事例では鋳抜きピンを用いて上図のような形状の鋳抜き穴を設置いたしました。
②バネ式局部加圧追加
通常のスクイズピンは、金型に油圧シリンダーを仕込んだり、スクイズ制御装置が必要なため、コストがかかってしまいます。
バネ式の局部加圧スクイズピンは射出圧や鋳造圧の力でさらバネが収縮した後、凝固収縮に追随して、皿バネが肉厚部を加圧し、凝固収縮に追随することによって、ヒケができる部分に溶湯が押し込まれるため、コストを抑えてヒケ巣抑制を実現できます。
③冷却強化(バッフル、スポット冷却による応急処置)
冷却管にバッフル冷却を追加することで、図のように冷やしたい部分のより近くに冷却益を通すことができるためスポット冷却することが可能です。
これらのヒケ巣抑制により、リーク不良が19%から0.5%に改善されました。
当社では今回ご紹介したような「凝固解析によるヒケ巣予測事例」のような様々な不良改善における鋳造解析活用事例が多数ございます。鋳造不良でお悩みがございましたら、ぜひ一度お声がけください。
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