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アルミ鋳物・ダイカストに関する技術コラムです

複数要因の鋳巣不良解析/改善- ダイカスト不良改善事例

 

今回紹介するダイカスト不良改善事例は、完成車メーカー様で鋳造されているシリンダーブロックのボア端面に多数発生した鋳巣不良の分析・改善についてです。

不良分析

今回の不良解析に当たって、組織観察と現場観察を行ったところ、離型剤残りが原因の鋳巣と、充填不良が原因の鋳巣の大きく二つに分けられました。

こちらのシリンダーブロックは、縦式方案で鋳造しているため、鋳造離型剤残りが原因で発生している鋳巣は、地側の一番下のボア端面に集中し、充填不良による鋳巣は、天側の一番上のボア端面に集中しておりました。

 

不良改善・結果

離型剤残りが起因の鋳巣に対しては、金型のボア端面の押出ピンのキャビティの間のクリアランスを大きくして、金型からエアブローをできるようにすることによって離型剤残りを対策いたしました。
また、重点不良の巣に対しては、金型のボア端面に特殊な表面処理を施し、充填性を向上させることで、充填不良を対策いたしました。

その結果として、ボア端面の鋳巣発生率は1.8%から0.3%まで低減いたしました。

 

まとめ

アルミ鋳物・ダイカスト技術ナビを運営する株式会社日本高熱工業社では、今回の事例のように不良調査のアウトプットとして、調査結果だけでなく、メカニズムの考察結果や対策案までご提示いたします。また、必要とあれば、不良対策案の実機での検証も弊社で実行させていただくことも可能です。

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