アルミ品質に関わる、アルミ溶解工程の重要ポイントを知る
ダイカストは、重力金型鋳造や低圧鋳造に比較して、寸法精度に優れ、金属組織も微細なことから機械的性質も優れています。しかし、溶融金属が高速・高圧でキャビティに充填されるため、一般的な鋳物の欠陥以外にもダイカスト特有の結果があります。まずは、ダイカストの主な欠陥を知り、それを抑制するさまざまな技術をいくつか紹介致します。
1.ダイカストの主な欠陥
代表的なダイカストの欠陥について、詳しく記載されている資料がございましたので、それらを表にまとめております。
(引用:『今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい鋳造の本』(日刊工業新聞社 2015年版))
表1 ダイカストの主な欠陥
2.さまざまなダイカスト方法
ダイカストは品質が高いため、他以上に品質を担保する必要があります。先ほどのダイカストの欠陥をいかに抑制するかが、ダイカストを高品質化にする方法です。その方法について、いくつか紹介致します。
◆ 低速充填ダイカスト法
厚いゲートから溶融金属を1 m/s 以下で流入させて層流範囲でキャビティを充填する方法です。
◆ 真空ダイカスト法
溶湯を充填する直前にキャビティ内を真空ポンプで吸引し、減圧状態にした後に溶湯を充填する方法です。
◆ PFダイカスト法
スリーブ、ランナー、金型キャビティの空気を酸素ガスで置換した後に溶融金属を射出する方法です。
◆ スクイーズキャスティング法
キャビティ内に低速で溶湯を充填し、高圧力を負荷させて凝固させる方法です。
◆ 無孔性ダイカスト法
溶湯を射出する前にキャビティ、ランナー、射出スリーブ内を活性ガスで置換する方法。
◆ 局部加圧ダイカスト法
キャビティ内に溶湯を充填完了後、凝固過程中にキャビティ内の一� 部を直接加圧する方法。
まとめ
ダイカストは、他の鋳造方法と比較して、機械的性質に優れています。一方で、こういった欠陥を把握し、用途にあった技術を選定する必要があります。ダイカストを検討する際のご参考になればと思います!
参考文献
- 『絵とき ダイカスト基礎のきそ』(日刊工業新聞社 2015年版)
- 『今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい鋳造の本』(日刊工業新聞社 2015年版)
- 『鋳造技術シリーズ 6 軽合金鋳物・ダイカストの生産技術』(一般座談法人 素形材センター2014年版)
- 小冊子『ダイカストって何?』(一般社団法人 日本ダイカスト協会)
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