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アルミ鋳物・ダイカストに関する技術コラムです

鋳造工場のCO2削減を徹底解説|工程別の具体策とコスト削減・補助金活用まで

鋳造工程におけるCO2排出量の削減

『脱炭素対応を進めたいが、設備投資の余裕も時間もない』そう悩む鋳造工場経営者・現場責任者の方は少なくありません。

結論からお伝えすると、CO2削減は無理な大改修をしなくても「最もエネルギーを使う溶解工程の電気化」や「補助金の活用」から着手すれば、コストを削減しながら無理なく達成可能です。

CO2削減はもはや環境対策ではなく、エネルギーコストを削り取引先からの信頼を守るための戦略的投資です。

本記事では、工程別の実践的なコスト削減策と補助金の活用ポイントを徹底解説します。

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なぜ鋳造工場にCO2削減が求められているのか

鋳造工程で発生するCO2排出の主な原因

鋳造工場へのCO2削減要請は年々強まっており、「将来的な課題」という段階はすでに過ぎています。

鋳造工場でCO2削減が求められている理由は以下の通りです。

  • サプライチェーン全体の脱炭素要請(Scope1・2・3)と取引継続への影響
  • 電気・燃料コスト高騰による収益圧迫

それでは詳しく解説します。

サプライチェーン全体の脱炭素要請(Scope1・2・3)と取引継続への影響

鋳造工場におけるCO2削減の取り組みは、単なる環境貢献ではなく、取引継続や新規受注獲得を左右する重要な経営課題です。

自動車メーカーなどの大手製造業を中心に、サプライチェーン全体(Scope3)でのCO2削減要請が急速に強まっており、「脱炭素の取り組みが不十分」な企業は取引から外されるリスクが生じているためです。

そもそもCO2排出量は以下の3つに分類されます。

  • Scope1:自社の燃料燃焼などによる直接排出
  • Scope2:使用電力などによる間接排出
  • Scope3:サプライチェーン全体での排出

完成品メーカーから見ると、部品や素材を供給する鋳造工場の排出量はScope3に該当するため、削減・管理の対象となります。

このため、主要な取引先からの信頼を維持し、将来的な事業機会を逃さないためにも、Scope1〜3の視点に基づいた脱炭素への対応が不可欠となります。

電気・燃料コスト高騰による収益圧迫

エネルギーコストが高騰する現在、省エネと脱炭素は別個の課題ではなく、同じ方向性を持ったひとつの施策として取り組むことが重要です。

大量のエネルギーを消費する鋳造工程において、エネルギー消費量の削減は、CO2排出量の削減(脱炭素)と完全に表裏一体の関係にあるためです。

例えば、アルミや鉄の溶解・保持に使われる老朽化した燃焼式の炉を高効率な設備へ切り替えれば、CO2排出量を削減できると同時に、ランニングコストである燃料代や電気代を直接的に押し下げることができます。

エネルギーコストの高騰から自社の収益を守り、製造コスト管理を徹底するためにも、CO2削減とコスト削減を両立させる設備投資や工程改修が効果的な手段となります。

鋳造工場のCO2削減がそのままコスト削減につながる理由

鋳造工程の省エネによるCO2削減

CO2対策は「お金がかかるだけで得をしない」と思われがちですが、鋳造工場においては「CO2を減らす=毎月のムダな出費を減らす」ということを実現できます。

金属をドロドロに溶かす鋳造の現場では、使うエネルギーの量がそのまま「光熱費」と「CO2の排出量」に直結しています。そのため、無駄なエネルギーや材料をカットする工夫をすることが、そのまま大きな節約につながります。

鋳造工場のCO2削減がコスト削減にもつながる理由は以下の通りです。

  • 電気式溶解保持炉への刷新でガス代・エネルギー消費量を大幅に削減できるため
  • 歩留まり改善・不良品削減により、材料費と再加熱エネルギーの両方を節約できるため

それでは詳しく解説します。

電気式溶解保持炉への刷新でガス代・エネルギー消費量を大幅に削減できるため

熱を外に逃がさない最新の電気炉に変えることで、毎月の燃料代を大幅に浮かせられるからです。

昔ながらのガスや石油を燃やす炉は、作った熱の多くが煙と一緒に外へ逃げてしまい、非常に効率が悪いという弱点があります。

これを熱が逃げにくい電気式の釜や、赤外線で金属を直接温められる最新の電気炉に切り替えると、少ないエネルギーで効率よく金属を溶かせるようになります。

その結果、高騰するガス代や電気代を大幅に抑えつつ、CO2も一緒に減らすことができます。

歩留まり改善・不良品削減により、材料費と再加熱エネルギーの両方を節約できるため

不良品を減らせば、ムダになる材料代と温め直しの電気・ガス代をダブルで浮かせられます。

製品作りに失敗すると、使った材料代が無駄になるだけでなく、それを溶かすために使ったエネルギーもすべて捨てることになってしまいます。

たとえ不良品をもう一度溶かして作り直すとしても、また最初から温め直すための余計な燃料代とCO2排出が発生してしまいます。

作るときの条件を整えて失敗作ゼロを目指すことこそが、材料代と光熱費の両方を根本から削る一番の近道です。

【工程別】鋳造工程で取り組めるCO2削減技術

鋳造工程の改善によるCO2削減対策

CO2削減を現場で成果に結びつけるには、「どの工程で・どんな技術を使えば・どれだけの効果が出るか」を切り分けて対策することが不可欠です。

鋳造工場は工程ごとにエネルギーの使われ方が大きく異なるため、闇雲に節電を呼びかけても大きな効果は期待できません。

影響の大きい工程から順番にピンポイントで設備更新や条件見直しを行う方が、はるかに高いコスト削減と省エネ効果が得られます。

ここからは、工程別で鋳造工程で取り組むCO2削減技術を紹介します。

溶解・保持工程|ガス式から電気式溶解保持炉への転換

工場全体のCO2削減を狙うなら、エネルギー消費量が最も大きい「溶解・保持工程」の改善から着手するのが効果的です。

この工程は工場全体のエネルギーの大半を占めており、この部分の効率化が工場全体の削減量を左右するためです。

具体例として、従来のガス・重油式から日本高熱工業社の赤外線ヒーター式電気溶解保持炉「IRMシリーズ」へ更新すると、熱が排ガスとして逃げず、溶湯を直接・均一に加熱できます。

「赤外線ヒーター式 連続溶解炉 IRM series」は、酸化物(ドロス)の発生を最小限に抑えることで、従来炉で5〜8%発生していたメタルロス(材料ロス)を1%以下に大幅低減できます。

機械導入により、材料歩留まりが格段に向上し、CO2削減と材料コスト削減を実現可能です。

まずは一番大きな山である溶解炉の見直しを行うことが、現場の光熱費とCO2を大幅に削る最優先のステップとなります。

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造形工程|歩留まり向上・不良品削減によるエネルギー使用量削減

造形工程でのCO2削減は、設備投資だけでなく「不良品を出さない現場づくり」によってすぐに達成できます。

不良品が1個出るだけで、それを溶かして形作るために使った電気・ガス・材料がすべて無駄になり、再溶解のために余計なエネルギーを消費してしまうためです。

具体的には、溶湯温度のばらつきや注湯速度の不安定さを解消するため、鋳造シミュレーションソフトの活用、金型温度管理システムの導入、作業の標準化を進めることが有効です。

手戻りを減らして歩留まりを上げることこそが、追加コストをかけずに現場のエネルギーロスとCO2を根本から削る強力な手段になります。

冷却・乾燥工程|高性能送風機による急速冷却

冷却工程においては、「無駄な冷却時間を削って生産サイクルを早めること」がそのまま省エネにつながります。

冷却不足は品質不良を引き起こしますが、逆にダラダラと時間をかけすぎる過剰な冷却は、無駄な送風エネルギーを消費し生産効率を落としてしまうためです。

例えば、日本高熱工業社の急速冷却ユニット「RCシリーズ」のような高性能送風機を導入すると、製品に均一かつ強力な風を当てて急速冷却できます。

これにより、品質をしっかり担保しながら冷却時間を大幅に短縮でき、送風機の消費電力を抑えつつ、工場全体の生産スピード向上と省エネを同時に実現できます。

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熱処理工程|熱処理炉の高効率化

熱処理工程(焼鈍・焼入れ・焼戻しなど)では、「炉の外へ逃げる無駄な熱を徹底的に防ぐこと」が省エネのポイントです。

古い熱処理炉は断熱材が劣化しており、加熱のために投入したエネルギーの多くが外に逃げてしまっているケースが非常に多いためです。

対策としては、高効率な最新断熱材への張替えや最新炉への更新、バッチ処理から連続処理への変更が効果的です。

また設備更新を行わなくても、炉の稼働スケジュールを見直して「空焚き時間」を減らすだけで、今すぐ燃料代とCO2を削減できます。

熱を逃がさず無駄に燃やさない運用へシフトすることが、熱処理工程のコスト改善に直結します。

工程横断で取り組める省エネ・CO2削減の手法

個別工程の改善と並行して、工場全体を巻き込んだ横断的な取り組みを推進することも大切です。

特定の工程だけを改善しても、工場全体のエネルギー運用や調達方法に無駄が残っていれば、大きな削減効果が得られないためです。

工場全体で取り組むべき代表的な手法は以下の3点です。

  • エネルギー使用量の見える化の実施
  • 太陽光発電・再生可能エネルギーへの切り替え
  • 遮熱・断熱施工による放熱ロスの削減

それでは詳しく解説します。

エネルギー使用量の見える化の実施

確実な省エネを進めるには、まず「どこで・いつ・どれだけエネルギーを使っているか」をデータで可視化することがすべての出だしとなります。

エネルギー消費の全体像が見えていない状態では、感覚に頼った対策になってしまい、ボトルネックを見落としてしまうためです。

具体的には、主要な設備にIoTセンサーを取り付け、EMS(エネルギーマネジメントシステム)で数値をリアルタイム監視できる仕組みを作ります。

これにより、優先的に設備投資すべきターゲットが明確になり、データに基づいた確実な改善サイクルを回せるようになります。

太陽光発電・再生可能エネルギーへの切り替え

CO2を即座に減らすには、自社での太陽光発電の導入や再エネ電力への切り替えが最も手堅い手法です。

工場で使う電力を直接再エネに変えることで、CO2排出量をゼロに近づけられるだけでなく、高騰する電気代の自衛策にもなるためです。

例えば、工場の屋根や駐車場への太陽光パネル設置による自家消費や、電力会社が提供するグリーン電力プランへの変更が挙げられます。

丁寧な初期投資回収のシミュレーションを行い、計画的に導入を進めることで、電力コストの安定化とCO2削減を同時に達成できます。

遮熱・断熱施工による放熱ロスの削減

工場の壁・屋根・窓・炉体からの放熱ロスは、見落とされがちながら累積すると大きなエネルギー損失になります。

遮熱塗料・断熱パネル・高性能断熱材の施工によって放熱量を減らすことで、空調負荷と炉の加熱エネルギーを削減できます。

特に夏季の工場内温度上昇を抑えることは、作業環境の改善と空調電力の削減を同時に実現します。

比較的低コストで始められる取り組みであり、補助金の活用も検討しながら段階的に進めることができます。

CO2削減の設備投資に使える補助金・助成金

鋳造の材料ロス削減によるCO2排出量の低減

設備投資の初期費用を劇的に抑えてCO2削減を進めるには、国の補助金・助成制度を前提とした投資計画を立てることが不可欠です。

ガス式から電気炉への転換や最新設備の導入は対象となる制度が多く、数百万円から数千万円単位の資金調達補助を受けられる可能性が高いためです。

制度の公募要領や要件は毎年見直されるため、最新情報をキャッチし、設備メーカーや専門機関と組んで早めに申請準備を進めることが採択への一番の近道となります。

省エネ・非化石転換補助金

ガス式溶解炉から電気式溶解炉への切り替えを行うなら、経済産業省や環境省の「省エネ・非化石転換系補助金」を検討しましょう。

重油・ガスなどの化石燃料から電気へのシフトは政策的優先度が高く、補助率(1/3〜1/2以上)や上限額が非常に手厚い枠が用意されているためです。

申請にあたっては「どれだけエネルギー消費原単位やCO2を減らせるか」の緻密なデータ試算が求められるため、導入予定の設備メーカーや専門コンサルタントと連携して根拠数値をそろえることが採択率を高める最大のポイントになります。

ものづくり補助金

生産性の向上と同時にCO2削減を狙う設備投資であれば、「ものづくり補助金」の活用が有効です。

中小企業を対象に設備投資費用を強力に支援する制度であり、特に脱炭素に資する投資には通常枠(上限1,250万円〜2,500万円程度)よりも補助上限額が大幅に引き上げられた「グリーン枠(最大2,000万〜4,000万円規模)」などが用意されているためです。

単なる老朽更新ではなく「この設備導入でどう革新的に生産性を高め、CO2を削減できるか」を事業計画書で示す必要があるため、商工会議所や金融機関のサポートを受けながら計画を練り上げることが成功のカギとなります。

【製品紹介】日本高熱工業社が提供するCO2削減設備

鋳造現場の脱炭素化とコスト削減を確実に成功させるには、溶解から冷却までの工程に対応した実績のある専用設備の導入が最も確実な手段です。

アルミ溶解保持炉と急速冷却ユニットに強みを持つ日本高熱工業社の設備は、CO2削減だけでなく品質安定と生産性向上を同時に実現できるよう設計されているためです。

特に現場のエネルギー課題を解決する日本高熱工業社の代表的な2つのシリーズは以下の通りです。

  • IRMシリーズ|赤外線ヒーター式溶解保持炉
  • RCシリーズ|高性能送風機による急速冷却ユニット

それでは詳しく解説します。

IRMシリーズ|赤外線ヒーター式溶解保持炉

IRMシリーズは、赤外線ヒーターを熱源とした電気式のアルミ溶解保持炉です。燃焼を行わないため排ガスが発生せず、CO2排出量を大幅に削減できます。

赤外線による放射加熱は溶湯面を均一に加熱するため、温度ムラによる品質トラブルを軽減します。

また、酸化物(ドロス)の発生を最小限に抑えられ、従来炉で5〜8%発生していたメタルロス(材料ロス)を1%以下に大幅低減できます。

ガス式・重油式炉からの置き換え設備として、多くの鋳造工場での実績があります。

IRM導入で省エネ・材料ロスを改善した事例を見る

関連記事:補助金で進む設備の低炭素化 ー赤外線ヒーター式アルミ連続溶解炉『IRM』採択事例のご紹介ー

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RCシリーズ|高性能送風機による急速冷却ユニット

冷却工程のボトルネックを解消し、工場全体の生産スピードと省エネ性を引き上げるには「RCシリーズ」の導入が最適です。

高性能送風機によって鋳造後の製品を均一かつ高速に冷却できるため、品質を担保しながら冷却時間を大幅に短縮できるためです。

無駄な送風エネルギーを削りつつ生産サイクルを早めることができるため、前述の「IRMシリーズ」と組み合わせることで、溶解から冷却にいたる主要工程全体でCO2削減とコストカットの効果を最大化できます。

RCシリーズの仕様・冷却試験について詳しく見る

関連記事:日本高熱工業社 RCシリーズ

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鋳造工場のCO2削減に関するよくある質問

ここからは、鋳造工場のCO2削減に関するよくある質問について解説します。

CO2削減対策は何から始めるべき?

前述した通り、CO2削減対策はエネルギー使用量の見える化から始めるべきです。

工程ごとの電力・ガス消費量を正確に把握し、どこにエネルギーの無駄が潜んでいるかを特定しなければ、投資対効果の高い対策の優先順位を決められないためです。

多くの鋳造工場では溶解や保持工程の消費量が最大となるため、見える化のデータをもとにこの工程から優先的に手を打つのが効果的です。

まずは簡易的な計測器の導入やデータの集計から着手することをおすすめします。

補助金はIRMシリーズのような設備にも使える?

弊社の「IRMシリーズ」は補助金を有効活用して導入することが十分に可能です。

実際、IRMシリーズは令和7年度補正予算の「省エネ・非化石転換補助金(工場・事業場型)」において、補助対象設備として正式に採択された実績があります。

従来のガス式・重油式溶解炉から電気炉への切り替えは、国が強力に推進する「非化石エネルギーへの転換」に合致するため、非常に高い適合性を持っています。また、歩留まり向上や品質改善を伴う工程革新として「ものづくり補助金」の対象として申請を検討することも可能です。

中小規模の鋳造工場でも取り組める対策はある?

大規模な設備投資が難しい場合でも、以下のような低コストで取り組める施策から進められます。

  • エネルギー使用量の「見える化」
  • 炉の稼働スケジュールの最適化(空焚き時間の削減)
  • 遮熱・断熱施工の実施
  • 太陽光パネルの部分導入

また、「ものづくり補助金」や「省エネ補助金」は中小企業を主な対象としており、補助率も高く設定されています。

これらを活用すれば、自己負担を抑えながら本格的な脱炭素・省エネ対策を進めることが可能です。

まとめ

鋳造工場のCO2削減は、取引継続・コスト削減・規制対応という経営上の要請と直結した課題です。特に溶解・保持工程でのガス式から電気式へのエネルギー転換は、最大のCO2削減効果と同時にランニングコストの削減も実現できる最優先の取り組みです。

日本高熱工業社のIRMシリーズ(赤外線ヒーター式溶解保持炉)とRCシリーズ(急速冷却ユニット)は、溶解から冷却までの工程でCO2削減と品質安定化を同時に実現する設備として、鋳造工場のカーボンニュートラルへの取り組みを支援します。

補助金の活用と組み合わせることで設備投資の負担を抑えながら前進できます。まずはエネルギーの見える化と設備の現状確認から始め、お気軽にご相談ください。

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