コンベア搬送において高効率なワーク冷却を実現するには?
搬送システムにおける冷却は、製品の品質維持や設備の長寿命化、生産効率の向上など、さまざまな側面で重要な役割を果たします。特に、搬送中に発生する熱は、製品や設備に多大な影響を与え、適切に管理されなければ、製品の変形や劣化、設備の摩耗が進行し、最終的な品質や稼働率に悪影響を及ぼす可能性があります。本記事では、搬送システムにおける冷却の重要性と、コンベア搬送をはじめとして様々な用途に対応可能な日本高熱工業社が提供する「急速冷却ユニット」について紹介いたします。
ワーク搬送において熱が製品や設備に与える影響
搬送中に発生する熱は、製品や設備に多大な影響を及ぼします。特に、製品が高温にさらされることで、変形や劣化、品質の低下が発生する可能性が高まります。例えば、プラスチックやゴムなどの素材は熱に弱く、搬送過程での適切な温度管理が求められます。また、設備も過度な熱によって摩耗が早まり、寿命が短くなることがあります。これにより、メンテナンス頻度が増加し、運用コストが上昇するリスクもあります。これらの理由から、搬送中の冷却は不可欠であり、適切な対策を講じることが重要です。
冷却が生産効率に与える効果
冷却は、生産効率の向上において重要な役割を果たします。搬送中の冷却が適切に行われることで、製品の品質が維持されるだけでなく、加工速度が安定し、全体の生産プロセスがスムーズに進行します。例えば、金属加工では、冷却を行うことで熱による膨張を抑え、精密な加工が可能となります。これにより、リワークや廃棄物の発生を抑制し、生産ラインの稼働率を高めることができます。さらに、適切な冷却は設備の過熱を防ぎ、故障やダウンタイムのリスクを軽減します。結果として、トータルの生産効率が大幅に向上するのです。
ワーク冷却の基本原理
ワーク冷却の基本原理は、温度差を利用して熱を移動させることにあります。搬送中の冷却では、製品や設備から発生する熱を効率的に外部に逃がすことが重要です。これを実現するために、様々な冷却技術が用いられます。例えば、熱交換器は、温度の高い流体と低い流体を接触させることで、熱を移動させ、温度を調整します。熱交換は、冷却水や空気を使用して行われることが多く、これにより、製品や設備の温度を迅速に下げることが可能です。正確で効率的な熱交換が行われることで、搬送中の温度管理が容易になり、製品の品質維持や設備の保護が実現されます。
空冷式冷却と水冷式冷却の違い
工場でワークを冷却するためなどに用いられる冷却装置はこれまで空冷式と水冷式、2つの冷却方法が一般的に用いられてきました。ここでは、2つの冷却方法のメリットとデメリットを紹介いたします。
空冷式冷却
空冷式冷却装置は、空気を冷媒として使用し、ファンやフィンを通じて熱を放散させるシステムです。設備構成が簡単でメンテナンスが容易であるというメリットがございますが、効率が水冷式と比べてやや低いため、冷却時間が長く生産性が悪いというデメリットがございます。
水冷式冷却
水冷式冷却装置は、水を冷媒として使用し、熱交換器を通じて熱を効率的に移動させるシステムです。水は高い比熱容量を持ち、大量の熱を運搬できるため、冷却効率が高く、サイクルを早くすることができます。一方で、割れが発生する可能性が高まる他、冷却に水を使用するため、水残りが発生してしまう恐れがあります。
ワーク冷却の課題
従来の冷却装置において、ワークの冷却が進みにくい理由としては2つあります。
ライデンフロスト現象の発生
従来の水冷冷却において、高温のワークにミストを散布した際、ワークとミストの間に水蒸気層が発生し、熱交換が阻害されます。
速度境界層による阻害
従来の空冷冷却において、通常の送風をワークに衝突させた際、速度境界層によって送風がワークの熱を奪うことが阻害されます。
搬送時のワーク冷却の課題
上記2点のワーク冷却の課題により、搬送時のワーク冷却において、冷却が進みにくく、冷却時間が長くなってしまう傾向にあります。
冷却時間が長くなると、生産ライン全体のスループットが低下します。生産効率を最大化するためには、各工程がスムーズに進行する必要がありますが、冷却時間がボトルネックになると、次の工程に進むまでの待機時間が増え、全体の生産スピードが遅くなります。これにより、ライン全体の生産能力が制限される可能性があります。
そのため、搬送時におけるワーク冷却では冷却品質を保ったまま急速な冷却が求められます。
そこで紹介するのが、空冷・水冷式冷却の課題を解決し、急速冷却が可能であり搬送時のワーク冷却にも向いている「RCシリーズ急速冷却ユニット」です
RC急速冷却ユニットの特徴
特徴① 冷却時間の大幅短縮
バッチ式、コンベア搬送などさまざまなラインでご使用いただけるユニット構成です。ワークサイズにも広く対応可能です。
特徴② ニーズに対応した冷却モード
冷却スピードのコントロール(エアーとミストの制御)により、ワークの割れ/ 変形を抑える・水残りを減らすなどの対応調整が可能です。
特徴③ 工場エアーレスにも対応
ファンを採用し工場エアーレスでの急速冷却が可能で、工場の省エネにも貢献できます。
RC急速冷却ユニットの原理
急速冷却ユニットでの冷却
従来の水冷式冷却ではワークとミストの間に水蒸気膜が発生してしまい、熱交換が妨害されておりましたが、急速冷却ユニットでは高速の風でミストをワークに衝突させることによって、効率的な冷却を可能にしております。
RC急速冷却ユニットの使用事例
RC急速冷却ユニットは、ノズル噴射口角度を調整可能なため搬送冷却をはじめとして様々な冷却目的に使用することができます。また、組付け作業も容易なため、連結して連続式にもすることが可能です。
〇 ロボット搬送 |
〇 押出成形品 |
〇 ランダムに置かれたワーク |
〇 コンベア搬送
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〇 高さのあるワーク |
〇 大型樹脂成形品 |
RC急速冷却ユニットの性能
従来方法と急速冷却ユニットの冷却時間の比較
ミスト噴射時間と温度変化
ワーク材質の違いによる冷却時間の比較
ワーク重量(アルミ材)の違いによる冷却時間の比較
まとめ
搬送システムにおける冷却の重要性と、コンベア搬送をはじめとして様々な用途に対応可能な日本高熱工業社が提供する「急速冷却ユニット」について紹介いたしました!コンベア搬送をはじめとしたワーク冷却の冷却効率・冷却時間でお悩みの方はぜひお問い合わせください!
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